元彼が結婚する

そう聞かされたのは去年の暮れのことだ。
私と別れてから、細やかに婚活を重ねていたみたいで、いくつか年下の女の子と付き合っているという話を聞かされたのは、さらに何年か前。

彼は、まるで女の子みたいに「30歳までには香川で結婚したい」と繰り返していた。
別れたときは本当につらかったけれど、今はまるで自分のことのように、嬉しい。
そして彼の望む人生計画に、私がひどく邪魔になったわけではなかったということにも、若干安堵している。
きっと彼は、彼が望んだとおり、普通に結婚して普通に子どもを産んで、普通のお父さんになって、普通の孫を望むおじいさんになって、死ぬのだろうな、と思う。
私はどうしても、子どもを産むというハードルを、自分で超えることができなかった。
彼のことが好きであることと、自分では子どもを不幸にしてしまうだろうという諦念とを、天秤にかけることができなかった。
そんなことは話してはいたけれど、私は彼に自分のすべてを預け切れてはいなかったのだと思う。
だから、いま彼の結婚に、憎しみや悲しさではなく、純粋な嬉しさだけを感じられている。
愉快すぎる話だが、彼の結婚祝いを「友人一同」で贈るための算段を私主導でやっているくらいだ。
二人にはどんなものがぴったりなのか、お嫁さんの好みはどんなものなのか。
LINEグループで、わいわいやっている時間は、学生時代に戻ったみたいだ。
おめでとう。
そして、闇金よさよなら。
きっとさよならにはならない。
私たちは友達だから。
でも、今は、そんな気分。

香川闇金解決